四月三日、六ちゃんが死んだ。あまりに突然の死。俵津に衝撃が走った。ついこの間まで本当に元気だった。傍目にそう見えただけであったのかもしれないが、この正月明けの頃にはわが家の風呂のリフォーム工事を手伝ってもらった。元気そのものだった。
六ちゃん、宇都宮六郎くんは、本業は左官だが、何でもやった。空き家の解体、農道にかぶさっている樹木の伐採、農地の開墾、などなど。俵津にはなくてはならない存在だった。気軽に引き受け、しかも安い料金で請け負ってくれた。村宝、町宝とはこういう人のことを言うのだろう。本当に惜しい人物を俵津は亡くした。
六ちゃんはまだ70歳だった。こんなに早く死んじゃいけない。西村仁さん、宇都宮英利さん、中村照美さん、佐藤勇くん、浅尾登くん・・・わたしにとって大切な友人・知人が若くして鬼籍に入っていった。ほんとうに残念で悲しい。
合掌。
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内子町(大瀬)出身ということで、ずっと注目してきた人だった。芥川賞をとった「飼育」をはじめ、「死者の奢り」「セヴンティーン」「奇妙な仕事」など初期の作品を面白く読んだ覚えがある。高校生の頃読んだ「ヒロシマ・ノート」には特別感動した。「万延元年のフットボール」の頃からは、難解な作品が続くようになり理解が行き届かなくなってしまったが、故郷内子の森の谷間の「村―国家―宇宙」の神話や歴史を描いた物語にはわからないなりに興味を持った。ついこの間「同時代ゲーム」に3回目のチャレンジをしたばかりだった。
広島へ出稼ぎに行ったとき、講演を聞きに行ったのを思い出している。
核の問題や憲法9条堅持に体を張ってコミットした生き方にはこころからの敬意を表する。
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4月12日~13日、1泊二日で農協の「年金友の会」役員仲間で旅行に行ってきた。道後グランドホテル宿泊。
ホントに久しぶりの旅。狩江や高山の人たちと旅行に行くことなどめったになかったので、話し合える機会を持ててよかった。
年寄りばかりだから、日程は緩やかなものに組んでいただいた。1日目大山祇神社に詣でたが、4時前にはもうホテル入り。コロナ禍中、二番町などに繰り出すのはやめて一部屋にみんなが集まって12時ころまで飲んで語り合った。やはり酒はいい。最大のコミュニケーションツール。みんなで飲食できない日が続いているが、明浜ではやはり飲食は必要だとあらためて思った次第。
松山はやはりいい街だ、とあらためて思えたのが今回の収穫だった。温泉があり、名城と言っていい松山城があり、坂の上の雲ミュージアムがあり、大街道がある。子規がいる(いた、というより今も生きているという気配漂う)。まことに遅まきながらであるが、子規の偉大さがわかってくる。
ちなみに、わたしが県都松山を初めて訪れたのは60数年前、小学6年の修学旅行の時だった。会長の伊勢富雄さんは1級上だが当時のことをよく覚えていて、松山まではバスで国鉄(現JR)立間駅まで行ってそこから汽車に乗って行ったと言う。二泊三日。宿泊先は勝山旅館で一泊の宿泊料金が150円だったとか。旅行経費は1人400円。児童の持っていける小遣いは300円だったと言う。俵津や宇和島くらいしか知らないわたしたちにとって松山は目もくらむような大都会だった。
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タケノコ掘りに行った後、妻と皮むきをしていると、ゆめさくの宇都宮由美子さんが通りかかって声をかけてくれる。「補助金、おりることになった」と嬉しそうだ。
かねてよりプランニングしていたゆめさく屋前広場の公園化(バイパス工事埋立地にできた後背地の集いの場づくり)、俵津スマイルと共同で西予市の「令和5年度せいよ地域づくり手上げ型交付金事業」に申請していた件、認可が下りたというのだ(150万円)。一歩一歩、夢実現に向かって進んでいく彼女たちの姿はとてもいい。
「アジサイ植え、老人会手伝ってね」と言って去って行った。
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4月18日、老人クラブ新旧役員会。市川以世男新会長の下の初会合だ。
(伊勢富雄さん・高月信夫さんが副会長。尾下容子さんが会計。わたしは「じじばば―」担当の事務局)
以下、決定事項を列挙。
・一日遠足の実施(7月)
・「じじばばスーパー演芸会」今年もやることに(10月)
・ゲートボールクラブを発足させよう!
・花壇の整備 など。
●「花壇の整備」について
これ、前記のゆめさくの事業の手伝いかと思っていたら違った。県の「緑の募金交付事業」というのがあって、今年は明浜町がその対象地区になっているのでこれを俵津老人クラブが受け入れるということだそうである。宇和島自動車の俵津車庫前停留所敷地内周辺に老人会が育ててきたアジサイを植栽する。
国道378号線の湾岸道路を「あじさいロード」にするという計画は、3主体が行う共同事業ということになる。旧農協本所前がゆめさく・スマイル、俵津車庫前近辺が老人クラブ、その間をつなぐ道路傍が公民館。
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今夜は大浦の東新三くんの家で松山旅行の「反省会」。渡江の西村助広さん、狩浜の亀井秀雄くん、俵津からは伊勢富雄さん、東くん、わたし。五人の飲み会だ。さて、どんな話が飛び出すやら。楽しみだ。
たわらづ、がまたすこしづつ動き始めた。
(2023・4・22)