虹の里から

地域の人たちと、「まちづくり」について意見を述べ合う、交流ブログです!

❝ニュー塩風呂❞、行ってみました!

   魅惑するのはなに?

   魅惑する日はいつ?

   魅惑するところはどこ?

              (吉本隆明の詩から)

 

 新しい「塩風呂」ができたというので、先日行ってきました。

 前の塩風呂が施設の老朽化と経営困難で維持できなくなったのと、海岸端にあったレストラン「故郷(ふるさと)」が、想定される南海トラフ地震津波対策で高台移転しなければならなくなったのとで、ふるさと創生館の事務棟を取り壊し、そこに「塩風呂」と「レストラン」と「宿泊施設」が一体となった「あけはまーれ」が、この程誕生したのでした。

 かっぱ祭り(今年は中止)が行われる広くなった駐車場に車をとめて、その建物を仰いだ時、そこへ至る階段の大きさと急こう配に圧倒され、ため息が出ました。やれやれこれを登って行かにゃならんのか、後期高齢者目前のわたしにはちょっとなあ、と。

 いざ入館、塩風呂へ。・・・絶句。関係者の方には、(まことにまことに)申し訳ないのですが、正直がっかりしました。せまい、浴槽が少ない、海が見えない・・・。こういう施設に必要な開放感(解放感)が、残念、まったく感じられないのです。そそくさと30分ほどで出てきてしまいました。

 これ以上感想を述べる気力を失いましたが、無茶々園が経営に関係していると聞いたので、もう少し。

 三つある浴槽(塩湯・水風呂・サウナ)を増やすなどということは、できませんから、せめて造葉というのか緑の人工の葉っぱの目隠しを取り除いて、海が見えるようにしていただきたいと思います(もちろん男湯だけです)。うーん・・・、言えることはそれくらいかな。

 帰りに、高台にまだ残っている旧塩風呂(「はま湯」)を見上げて、つくづくと「あれは明浜にとって本当に素晴らしい施設だったなあ」と愛惜の念がわいてきました。広かった。浴槽が9つもあった(塩湯・露天風呂・薬湯・ジェットバブル・寝湯・軟水湯・水風呂・サウナ・ミストサウナ)。ジェットバブルに肩や腰を当てるとよく凝りがとれました。体を伸ばして寝湯にひたっているとここちよくうとうとできました。露天風呂で素晴らしい宇和海の景色を見るのは爽快でした。ひとつひとつの湯舟がそれぞれの味わいを持っていました。そこで出会う風呂仲間との談笑も楽しかった。1時間でも2時間でも、そこで気晴らしの至福の時を持てました。

 明浜町民は、唯一だった大切なリラクゼーション施設を失いました。もっとみんなが足繁く利用して守り残して行くべきだったと思いました。わたしはただ楽しむためだけに週一・年50回くらい行っていたのですが、明浜町民がせめて一人月2~3回でも行っていたら、今少し閉館を遅らせることができたかもしれないな、と思ったことでした。・・・・・

 それでも、「入浴回数券」(高齢者用・11枚綴り・500円分食事券付き、4400円)は、しっかりと買って帰りましたよ。

 

 わたしは何年か前に、塩風呂に客が少ないと言うので、面白半分に(いらんでんすけですが)、“対策”(!)を考えてみたことがありました(「俵津ホームページ」のコラムに書きました)。それをもう一度ここに、端折って箇条書きにしておきます。

明浜町民が支える気持ちを持つ。利用する。

・「アクセス道路が悪いから客が来ない」、と言う声があるから、それなら道中を魅力的にしようと、

➋野福峠から塩風呂までの15㎞を、「俳句街道」にする。感じのいい俳句柱を100本つくり、愛媛県民から広く募集し、夏井いつき先生に選んでもらって、毎年差し替える。

➌同じく「芸術街道」にする。どこかの芸術大学に協力してもらって(先生や学生の)、銅やステンレスや石やで創った作品(オブジェ)を設置する。(全国から募集して、面白い表情の地蔵を置いてもいい)。

・伯方塩業と共同で、

➍創業者の一人・松本永光氏の『塩浴革命』(日本自然塩普及会)に基づいて、「健康道場」とする。

➎玄関や浴場内に、大きな自然岩塩を置き、話題づくりをする。

・館内を魅力的にするために

➏催しを、頻繁に行う。俳句・短歌・詩・絵・写真・パッチワーク・小物・・等々の作品展示など。

➐壁画(タイル画)を描く。

・その他

➑裏山の石灰鉱山跡を都会からの移住者の住宅地(別荘)とする。

・風呂仲間のアイデア(複合施設化)

➒裏山に打ちっぱなしゴルフ場をつくる。

➓カラオケ喫茶をつくる。

⓫名物料理の開発(ジビエなど)。

                      (2020・8・16)