虹の里から

地域の人たちと、「まちづくり」について意見を述べ合う、交流ブログです!

やっぱり人口問題が・・・

 いま・・・やりきれない、やるせない気持ちでいっぱいです。30年間以上一緒にやって来た俵津無茶々園(無茶々園俵津支部)の同志・仲間が相次いで亡くなったのです。7日には宇都宮祐一くんが(享年71歳)、9日には高岡瑞枝さんが(同81歳)・・・。二人ともその当日まで、それほどは元気ではありませんでしたが、それでも床に臥せっているといった状態ではなかったのです。それなのにこんなことってあるでしょうか・・・。弔問、通夜、出棺見送り、葬儀が6日間続きました・・・。とても残念です。辛いです。・・・

(今日はとても気が重い状態で書いております)

 

 読者の皆さんにお願いです。

 やっぱり、人口問題というか人口の減少問題が、この町の「まちづくり」を考えていく上で、一番気になります。しかしながら、この問題はわたしには手に負えない。ただただ嘆くしかしようがない。みなさんのお考えがうかがえたらなあ、といつも思います。団塊小太郎さんのようにペンネームでいいですからご寄稿願えないでしょうか。また、tosakkoさんのようにコメント欄に何か書き込んでいただけないでしょうか。そんなしあわせにめぐりあえたら、といつも思っています。

 

 少しでも思考を前に進めるために

 まず、数字の上での人口予測統計を再確認しておきましょう。この間の(5月ころだったか)俵津公民館=俵津地域活動センター検討委員会のアンケート調査で示されていた数字が頭にこびりついています。2050年の俵津人口は365人と言う数字。

 次にこの国の人口動態。内田樹さんの論文(同氏編の『撤退論』中のまえがき)から引用します。「2100年の人口予測は高位推計で6407万人、中位推計で4771万人、低位推計では3770万人です(総務省HP)。現在が1億2600万人ですから、中位推計でも今から80年の間に7000万人以上減る勘定です。年間90万人。毎年県が一つずつなくなるというペースです。」

 さらに、愛媛県西予市を見てみましょう。

 玉井葵さんの文章を紹介します(「ぐうたら通信V」No.264/2022.10.01)。

〈 愛媛県の人口は、2060年には78万人にまで減るのだという。県人口問題総合戦略推進会議で発表された。愛媛新聞に掲載された内訳は表の通りである。

 このままでは大変なことになると、私は思うのだが、皆さんはどうだろう。

 中村時広知事は「このままでは各企業の採用も厳しくなる。手を打たなければ推計のような事態になる深刻な状況だと共有してほしい」と呼びかけたという。

 愛媛新聞の投書欄・門に、「人口減阻止 幻想に過ぎない」と題する次のような投稿が載った。

 人口の減少はこれまでずっと手を打ち続けてきた結果ではないのかと言いたい。減少を食い止め、右肩上がりのばら色の社会が訪れることなど幻想に過ぎないことを認識するべきである。(略)できもしないことを唱えるのはいかがなものかと思う。

 手を打ち続けてきたかどうか。留保が必要だが。7月末に、同じ門欄に「仕七川に若者が働ける場を」という投稿が載った。87歳の女性は、「昭和30年代、(仕七川から)毎年100人単位の集団就職で都会へ出て行った、その結果が……」と書いている。

 前者の「できもしないこと」というのは、知事の「手を打たなければ」に対してだろうか。

 高校の再編成もそうだが、「数字はこうだ」と言うだけなら簡単である。「手を打たなければ推計のような事態になる」と言う前に、「こういう手を打つ」というのが行政の担当者の責任ではないか。

 「ナーニモナイ」といわれている愛媛県には、こんな場合の「打つ手」はないのだろうか。〉

 玉井さんは県と20市町の「県内人口の推計表」を載せておられるのですが、わたしのこの無料ブログでは表を作ることができませんので、県と西予市の所だけ示しておきます。

県   2020年(人)1,334,841    2060年推計(人)783,547    増減率(%)-41.3  

西予市                  35,388                                 11,816                          -66.6

南予          235,435                                   81,869                          -65.2  

 西予市のこの数字では、おそらく残るのは大部分が宇和町だろうと思われます。

 

■ さて、ここからですが・・・

 わたしには何も対処法が思い浮かびません。

 玉井さん、次の号にもこの問題に触れておられます(「ぐうたら通信V」No.265/2022.11.01)

〈 前号の人口減少についての書き込みに、M氏から提言をいただいた。

 曰く、「子どもは欲しいが夫は要らないという女性には、男女による労働格差をなくし、時間外労働を必要最小限に規制し、出産・保育にコストがかからず、安全な託児の需要を完全に満たす。夫も欲しいと思う人が結婚しても姓を変えたくなければ変えずに済み、結婚せずシングルで産んでも有形無形で何の差別もない社会にする」。

 さらに、「結局、為政者たちがそれをしていないのが少子化の原因でしょう。というより、その反対のことを頑固にやっているのではねぇ…」と。

 その通りだと思う。「家」思想のしがらみ、ある種の偏見、固定観念、そういうものを払拭しなければ、事態は改善しないだろう。

 私は、さらにというか、ある意味で根幹にある問題として、「非正規労働」を廃止すべきだと考えている。真面目に働いている人たちを非正規労働者と呼ぶ発想は、受け入れがたい。

 派遣労働の制度を導入するとき、有用な技術、技能を持つ人たちを、特別な条件で受け入れるためみたいなことを言わなかっただろうか。実態は全く違う。低賃金に縛られ、3年後には正規雇用や無期雇用に切り替えるというルールを前に雇い止めされるというケースは多い。

 不安定な身分と、比較的低賃金の彼らの存在が、正規労働者の待遇を低く抑える機能を果たしている。低所得層=疑似奴隷を作り出している。日本の賃金がずっと低いままに抑えられているのはこの制度の果たす部分が大きい。

 低賃金を背景に、若者の結婚行動が抑制されていると、私は考えている。将来の経済事情に希望が持てなくては、一歩が踏み出せないのではないか。

 もちろん要因はいろいろにある。それぞれに考えねばならないことだが、私は、経済面を強く意識し、この問題を緊急に解決せねばならないと考えている。〉

 

■ すこし見えてきました。じゃあ・・・

 現在、愛媛県知事選挙が行われておりますが、候補者たちはどう考えているのでしょうか?朝日新聞愛媛版の記事を拾います。【県内でも少子高齢化が止まりません。人口を増やすためには何が必要ですか】の問いに、

現職の中村時広氏は、

「最近の統計では首都圏ですら人口が減少しています。県の人口減少を緩やかにすることは、持続可能な社会経済に不可欠です。県外流出は進学よりも就職時期に、また特に女性が多いことが分かっています。多様な価値観を認め、子どもを持ってもキャリアの妨げにならないような働き方を実現し、男女問わず選ばれる地域に生まれ変わります。両立支援に向けた働き方の大きな改革、そして市町と連携した子育て支援を抜本的に拡充します。」

一方の候補者、林紀子氏は、

「定住人口の増加を重視します。人間らしい生活を保障する最低賃金(時給1500円・月の手取り20万円)、大都市との格差をなくすよう政府に提言を行います。最賃引き上げに必要な中小企業支援策も働きかけます。農林漁業を国と地域の基幹産業に位置付け、価格保障、所得補償によって地域で子育てできる環境をつくります。」

 

 両者の意見の論評をするつもりはありません。今回の文章の結論を知事選にもっていく意図もまったくありません。ただ間違いなく当選する中村氏は、林氏の意見も聞き入れ、実現のため努力していただきたいということだけは言っておきます。

 

■ これでもまだ、未来への明るい展望、持てないのですが・・・

 それにしても、これらの意見、県や市町村ができることはほとんどないように思えてなりません。国の方針(政策)が変わらなければ、どうにもならない。はじめの方であげた人口の数字はとても改善の方向へは向かない、ように思えてなりません。

 国の政策が変わる気配は、全く感じられません。

 俵津も明浜町西予市も、今世紀末にはただ滅ぶでしょう。東京や名古屋、大阪など大都市以外の、全国の1700余の市町村も同じ運命でしょう。

 それなのに、だれもそれを言わない。何故なのでしょう。

 

■ みんなで意見を言い合える場があったらいいですね

 俵津地域活動センター委員会の委員の皆さんのパネルディスカッションが、開かれるといいですね。(彼らがいま俵津の最先端にいると思います。)

 人口問題をテーマにしたシンポジウム(フォーラム)が、開かれるといいですね。そういうことをやりながら、この俵津のことを考えるための知識を仕込み、解決策を見いだしていけたらいいな、と思います。

 滅ぶにしても、ただじゃあいやだぜ、なんかやってやりたい・・・なんて思いたいですね。「じじばばスーパー演芸会」みたいなことみんながやって、俵津ライフを謳歌しながら、俵津の魅力を増大させながら、次の一手を考える。そうありたいですね。

                     (2022・11・13)

 

※ やっぱ、知事選のこと言っておきます。わたし、多選反対です。アメリカ大統領のように2期8年で十分です。「権腐十年」、権力は必ず腐ります。世襲も反対です。新しい人が次々と出るような社会・国でないと、未来は、面白くありません。