虹の里から

地域の人たちと、「まちづくり」について意見を述べ合う、交流ブログです!

“新田の花見”を、つくろう!

「桜がキレイですねえ!この花の下で、新田の花見をやりたいですね!」

 宮崎川土手の桜が満開の頃、橋の真ん中に立って、隣の茂喜くんが感嘆の声を上げて言いました。

「いいね!やりたいねえ!」

 茂喜くんの構想は、川底に足場を組んで、その上にコンパネを敷いて座敷を作って、そこで新田のみんなが集って宴会をやる、というもの。老人会が植えた桜が、今ではそれはもう見事な大木になって、特に川の中では水面に接するくらいに枝を伸ばして、華やかさがいっそう際立っています。この季節、わたしも時々川に降り立って見上げるのですが、道路から見るのとはまた違った格別感があります。茂喜くんの目の付け所はまさに「いいね!」です!「風流だね!」です!

 ただ、足の悪いお年寄りもいるので、舗装された道路の方も全部使った、この新田の新しくできた空間を利用しきる構想に広げたいものです。かつて「新田ふるさとまつり」に使った折り畳み式の簡易舞台を公民館から借りてきて設置して、カラオケや踊りなどの演芸も楽しみましょう。

 当日は、狩渡橋から畑岡橋までの東側(人家側)の道路を通行止めにしましょう。川の向こう側(西側)にも道があるので大丈夫でしょう(舗装はされていませんが、一日だけです、我慢してもらいましょう)。

 いつが、いいですか?

 それはもう、4月3日です!

 かつて、その昔、その日は「俵津の花見」の日でした!田植えが終わった後の7月の「田休み」の日とこの日は、俵津全体の“農休日”でした。田休みの日には、公民館が企画してソフトボールやレクバレーの大会をやっておりましたが、この日は野福峠やボラ小屋・その他の桜のある所へ地区民こぞって出かけて行って宴会です。子供たちは春休みでもあって、朝からウキウキ・ソワソワで、母親に作ってもらった弁当をさげて近所の子供同士で様々の場所で遊んでおりました。

 俵津の人たちが、4月3日を決めたのは、この日だったら桜の開花状態にブレがないことが一番だったでしょう(おそろしく開花の早かった今年でも、まだ花は充分ありました)。3月に比べて4月の声を聴いた方がどうしたって暖かい感じのすることもあったでしょう。この日は晴れの特異日だったのかもしれません。生活の知恵というのか俵津人のエイチだったのでしょう。

 祝日法が改正されてからというもの、何の日の祝日やら訳が分からなくなってしまった祝日が多い中、(これは国民の祝日ではもちろんありませんが)日はやはり固定した方がいいと思います。その日に特別な思いを重ねたほうが、人間のこころや暮らしは豊かであるように思います。

 いつの頃からでしょうか、これがなくなったのは?また、その理由は?世の中が変わって、農家が少なくなった頃から?それとも、「桜まつり」が開催されるようになったころ?娯楽が増えてそんな日の必要性がなくなったせい?俵津人が余裕を失い、主体性をなくしていったせい・・?

 時代はまた大きく転回しています。毎日が日曜日の年寄りばかりになりました(と言っても、年寄りも結構忙しいのですが)。老人会では、お宮そうじや公衆便所のそうじなど環境整備に奉仕しておりますが、そのようなことは地域のみんなが分け合ってやって、もっともっと楽しいことをつくりませんか。再び地域全体が集まれる条件が出来つつあるのですから。

 新田だけでは、もったいないです。脇も大浦もやりませんか。「4月3日の俵津の花見」を復活させましょう!

 脇の人たちは、同じ宮崎川土手でやりましょう。畑岡橋(上甲さんの倉庫横)から通学橋までの区間も絶好の花見場所です!大浦の人たちは、野福峠の麓に近いところを使ったらどうでしょう(そこなら年寄りが歩いて行けます)。もちろん、どこでやってもいいのです。各地区民入り混じってやっても一向にかまいません。大きな素敵な俵津の全舞台をフルにつかって楽しもうではありませんか。ああ思い出しました。長崎東海さん一行も、峠の麓で盛大な(!?)花見をやっておりました(何本かの桜が、当時でもあったのでしょうね)。

 実はこの案、わたしの同級生の友人がかねてから強く主張してやまない案なのです。彼は、「毎年日が変り、桜が咲いていない時や散ってしまった時もあるような、さらに俵津の人たちが自ら主体的に楽しむことを忘れて、他所の人を当てにした“桜まつり”などにばかり力を注ぐのでなく、昔日のようにやったらどうか。俵津人自ら楽しむ心を取り戻したらどうか。もちろん、地域おこしとしての“桜まつり”は別に大いにやっていただきたいのだが。」と言っておりました。深く傾聴に値する一家言です。時代が俵津人に聞く耳を求めております。

 

 ところがしかし(!?)、あれもこれもみな、にっくき「コロナ」が終わっての話。でも、そういうあれやこれやを考えて置くのが、コロナ期の正しい過ごし方(!!)かもしれません。

                         (2021・4・13)