虹の里から

地域の人たちと、「まちづくり」について意見を述べ合う、交流ブログです!

「コロナ」対策・夢想

 新年あけましておめでとうございます。

 コロナ禍の中で、目出たいことなどなにもない、と言う方もあるかと思いますが、やはり一年の最初はこの言葉から始めましょう。今年もよろしくお願いします。

 「コロナ」が猛威を振るっています。昨年暮れには、東京で感染者が1300人を超えた日もありました。南アフリカではより感染力の強い変異種が現れたとか。イギリス・ロンドンではロックダウン。世界が揺れ動いています。日本でも明後日8日、首都圏(1都3県)が「緊急事態宣言」下に。

 俵津も、動きが止まってしまいました。「コロナ」が、どうにかならない限り、なにも始まらなくなりました。そこで、ボソボソと「コロナ」のことを、綴ります。

1、

 緊急事態宣言。国民への補償のないそれは、国民のさらなる困窮とさらなる不況を招くように思えてなりません。昨年春の緊急事態宣言では雀の涙ほどの補償金・給付金がでましたが、それではまったく持ちこたえられませんでした。中小の企業の倒産、個人商店の倒産・廃業はますます拡大するでしょう。国民の困窮はさらに深まります。

 政府に、腰がまったく据わってないのが、事態を深刻にしていると思います。

 わたしはドイツのメルケル首相のファンですが、昨春の彼女の発言(対応)はみごとでした。「これは東西ドイツ統一以来、いいえ、第二次世界大戦以来、この国が迎えた最大の試練です」と、コロナ禍の歴史的意味・深刻度をしっかりと認識し、その上で国民に「外出制限」を課すことで、国民の権利を一時的に制限することの痛みを顔に滲ませながら、言ったのです。「今日このようないつもと違った方法で、皆さんに話しかけているのは、この状況下で連邦首相としての私、さらに連邦政府の同僚たちが、これから何を導こうとしているのか、直接、お伝えしたかったからです。開かれた民主主義にとって必要なことは、私たちの政治的決断を透明にし、説明することです。私たちの行動の根拠をできる限り示して、それをお伝えし、伝達することで、みなさんの理解を得られるように努めなければなりません」。そう言い、この後、国民の生活といのちをどのように守り、経済的、社会的、文化的な損害を押さえるためにできうるすべてのことを実施することを明言したのでした。語ることばの重み、信頼度、迫力がまったく安倍前首相や菅首相とはちがっていました(メルケル首相の言葉は、ドイツ在住の児童文学作家・那須田淳さんの現地レポートから)。

 このコロナ危機時に、菅義偉首相や小池百合子都知事のような人しかトップに持てない日本は極めて不幸だと思います。

2、

 今、自民党で望みうる一番の人物は、わたしは石破茂さんだと思います。好き嫌いで言っているのではありません。石破さんの、「憲法9条第二項を廃棄せよ」という主張に与することはできませんが、石破さんは勉強家です。石破さんなら逃げないで説明責任を果たすでしょう。まともに国民に対するでしょう。誠実に言葉を尽くすでしょう。(「地方創生」も、石破さんの方が優れた考えを持っているように思います。)

 都の方は、宇都宮健児都知事山本太郎副知事(コロナ担当)だったらいいのにな、と思いました。都民はどうして見てくれだけで何のプランも行動も示せない小池さんなんかを知事に選ぶのでしょうか?

 野党の人たちも、まかり間違えば国が亡ぶかもしれない時です。全身全霊をかけて、政策を磨き、力をつけるべき時です。政権交代を勝ち取るくらいの気概をもっていただきたい。

 わたしたちは、ここらで現状を一歩、思い切って、抜け出す必要が、絶対にある、と思います。勇気をもって。変えなければ、「座して死を待つ」という言葉が本当になりそうな気配の漂う事態になってきました。

3、

 「東京オリンピック」。いますぐ、止めるべきだと思います。世界中の誰が見ても不可能なことが分かっているオリンピック、「人類がコロナに打ち勝った証としてやる」などと馬鹿なことを言ってる時ではありません。むしろ、「コロナと敢然と戦う」ためにこそ止めることを、世界に向かって意志表示すべきでしょう。日々失われて行く膨大なオリンピック経費を、「コロナ対策」に回すべきです。国民への補償にむけるべきです。

 そして、たとえば都民全員のPCR検査・抗体検査を実施して、陽性者を新国立競技場に一時隔離するように施設改造したらどうか。その他すでに出来上がっているオリンピック関連の全施設も医療施設として使うようにするべきでしょう。

 また、沖縄の辺野古基地建設なども直ちに止めて、その予算をコロナ対策に振り向けるべきでしょう。トランプからバイデンに変わった米大統領、「人類の未曾有の危機のコロナ対策のためだ」(あまりに悲しいものいいですが)と、ハッキリとアメリカに物言えば、絶好の好機(!)、理解を勝ち取れるのではないでしょうか。何も言わずに「思いやり(忖度)」ばかりしていては事態は一歩も前に進みません。

 これらの行動で、日本の覚悟のほどを見て、世界は諸手を挙げて歓迎するでしょう。

4、

 菅義偉首相は、「内閣人事局」で官僚をがんじがらめにするのではなく、彼らに自由の翼を与えて、彼らのパフォーマンスを最大化するようにしなければなりません。政府批判をした6人の学者を「日本学術会議」から外すなどという事ももってのほかです。キチンと物言う人を遠ざけるような政府は、いつか必ず大失政をして倒壊します。政府が滅ぶだけなら仕方ありませんが、国民が路頭に迷うのです。わたしたちは先の戦争でそのことを経験している筈です。二度と同じことを繰り返してはなりません。

 エッセンシャル・ワーカーとよばれる医療や福祉、小売・販売、公共交通機関、農業などの「社会に不可欠な働き手」が報われるような「政治」を行わなければなりません。

 「トリアージ」(治療の優先順序=いのちの選別)などという悲しい言葉がつぶやかれないように、有り余るくらいの人工呼吸器などの医療資源を用意してほしい。安倍前首相の時に予算計上した「予備費・10兆円」もいますぐそのために使ってほしい。国民への補償の為に使って欲しい。

5、

 第一次世界大戦中の1918年に始まったスペイン風邪パンデミック(21年まで、収束・終息に4年かかりました)では、世界中で2千万人から4千5百万人(一説では1億人)が亡くなり、日本でも40万から50万人が亡くなったといいます(当時の世界人口は20億人)。戦争で亡くなった人(1千万~1千5百万人)よりスペイン風邪で亡くなった人の方が多かったのです。軍隊は三密そのものの世界ですからこうなったということだそうです。そして人(兵士)の移動が感染をパンデミックにしたということです。

 Go To トラベルは、まさにやってはいけない、人の移動を大規模に促進した大失政だった。医療が進歩した現代とはいえ、そして経済は大事とはいえ、わたしたちは余程考え抜かなければならない、と思います。ワクチンが開発され、接種が一部で始まっていますが、対策を誤れば、感染者・死者は今後も増え続けるでしょう。

                          (2021・1・6)