1、
雪が舞っています。大晦日です。「コロナ」で明け、「コロナ」で暮れようとしている2020年。感慨ひとしおです。
昨年12月、中国・武漢で新型コロナが発生しましたが、その時はまったくの他人ごとでした。「ダイヤモンド・プリンセス号」くらいまででもどこかまだ他人ごとでした。まさか以後、このような展開になるとは予想だにできませんでした。
わたしたちの俵津でも、すべての活動が止まってしまいました。誰かが言ったように、まさに「共同体の危機」。このくらいのこと(!)で、俵津市民の“連帯”や“絆”が壊れるとは、わたしは思っておりませんが、それにしてもこの「待機時間」はあまりに長すぎます。
2、
今年の夏は、超が数十個つくほどの異常な“猛暑”でした。(高温と高湿度の夏でも「コロナ」は収まりませんでした)。柄でもありませんが、ホント人類(地球民)何とかしなくちゃ、と真剣にオモイマシタ!
また、柄でもなくですが、「ホモ・サピエンス」は長くはないな・滅びるな、とも思いました!モア・アンド・モア(もっともっと)の「資本主義」を、人類ここらでやめなきゃ、とも思いました。
3、
9月、日本の総理大臣が安倍さんから菅さんに変わりました。
笑ってください。わたしは、この菅さんという人はどんな人だろう、一国の首相としてどんな深い考えを持っているんだろう、と思って、出たばかりの菅さんの本(菅義偉著『政治家の覚悟』文春新書)を買って読んだのです!健気にも(!)夾雑物を排してまっすぐに向き合ってみようと。
でも、メディアで報道される彼の顔が脳内を占領してしまって、そんな殊勝なことはできませんでした。第一部の「官僚を動かせ」を読んでも、結局自慢話だよなとか、それも「自分の言う事を聞かない者は異動させる(左遷する)」と首相就任時に言い放ったように、強権をもって官僚を脅し上げてやっただけではないかとか思ってしまったのです。
第二部の中の安全保障問題でも、日米安保体制の強化を言うばかりで、本当に真剣に近隣国(中国・韓国・北朝鮮・ロシア・台湾・香港)と向き合おうとする、それこそ「覚悟」のいる姿勢が見えない。一衣帯水の“近所”と(自分から進んで)仲良くしないで、どうして平和・安全が作れるのでしょう?
挙句には、2012年に出したという元本から、記録することの大事さ、文書改ざんなど許されない事を書いたと言われる章を外したことを知って、ガッカリしたのでした。
それにしても、「国民の生命と暮らしを守る」と菅首相が言う時の「国民」とは、いったい誰のことでしょうか?
4、
1月8日、東京の大切な友人・若尾健一さんが亡くなりました。(享年72歳でした)。
彼は子供の頃から、貧しいアジア・アフリカの農民に力を貸す仕事がしたいと望み、全国で唯一「熱帯農学科」のあった高知大学に進み、そこで中村(現山下)重政くんと出会いました。重政くんの紹介でわたしは友人の一人に加えていただいたのですが、彼には本当に良くしていただきました。
わたしは、彼の中に「宮沢賢治」を見ていました。
諸事情で、結局海外に出ることはありませんでしたが、東京都の職員となり、伊豆七島の神津島や奥多摩の農業事務所などで都農業の発展に尽力しました。定年退職後は、放送大学に学び、卒業してからは、次第に「戦争の出来る国」になろうとするこの国の行く末を憂い、この国のひとたちに覚醒を促す著作の執筆に全身全霊を打ち込みました。何百冊という文献・資料に当たり、次の三部作を書き上げました。
①「明治中期・後期における仏教の戦争協力の実態と論理について」
②「宗教の戦争協力と天皇制」
鬼気迫るその文章は、わたしの魂を揺さぶりました。こんなに思い詰めたら、もともとそんなに強くない彼の体が危ない、と読みながらひしひしと感じました。わたしの予感は当たってしまいました。
命を削って書いた上記三部作は本当に素晴らしいものです。死の直前まで「やることがある、推敲したい」と言っていたと、妹さんの手紙にありましたが、この三部作、「歴史の中公」といわれる中央公論社あたりが新書化していただけないものか、切に願うわたしです(もちろん、どの出版社でもかまわないのですが)。これからの日本と日本人は、ここから出発し直すしかない、とわたしは痛切に思っております。
心残りは、「感想を聞かせてくれ」と言っていた彼に、やっと書いた感想文をわたしが発送したのが、彼が重体で入院した日だったということです。
心から彼のご冥福を祈りたいと思います。
5、
「コロナ」が拡大して行く3月、わたしはこの「ブログ」を始めました。みなさんに拙文をお読みいただき、励ましていただきました。ほんとうにありがとうございました。
来年は、わたしの願いの「ブログ連合」が、燎原の火のごとく立ち上がりますことを祈っております。また、わたしのブログへの寄稿もおねがいします。コメント、ツイートも・・。
わたしたちのかけがえのない俵津(明浜町、そして西予市)が、ますますよくなりますように願って、今年の締め括りにしたいとおもいます。
みなさま、良いお年を!!
(2020・12・31)